認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

学生さんや新人セラピストに向けて「いまさら聞けない姿勢制御」をわかりやすく解説するシリーズ、第4章の3回目は「赤核脊髄路(せきかくせきずいろ)はどんな働きがあるのか?」です。
名前からして少しマニアックですよね。正直、僕も学生時代は「外側皮質脊髄路だけで手一杯なのに、まだ覚えるの!?」と軽く絶望した記憶があります(笑)。
この神経路は、前回お話しした外側皮質脊髄路と同じ「外側運動制御系」に属しています。
主な役割としては、「上肢の屈筋群」の運動を促通し、逆に伸筋群を抑制するように働くと考えられています。
しかし実はこの赤核脊髄路、ネコなどの四足歩行の動物では大活躍しているのですが、二足歩行となり手先を器用に使うヒトにおいては、その役割が相対的に小さくなっているとされています。
手指の細やかなコントロールといった花形の役割は、進化の過程で「外側皮質脊髄路」に大部分を譲ってしまったんですね。
では、臨床でどう捉えればよいのでしょうか?
ヒトにおいて赤核脊髄路は、脳卒中などで外側皮質脊髄路がダメージを受けた際に、腕を曲げるなどの粗大な運動を代償的に手伝ってくれる「いぶし銀のサポート役」として機能するのではないかと考えられています。
(※一方で、脳卒中後の上肢に見られる「屈曲共同運動」への関与を指摘する見解もあり、単なるサポート役にとどまらない複雑な側面も持っているようです)
姿勢制御のメインプレイヤーとは言えませんが、「主役が倒れた時にバックアップとして働くかもしれない神経路」として頭の片隅に置いておくと、患者さんの代償動作や回復過程を分析する際の視点が一つ増えるはずです。
次回は「姿勢制御に重要な皮質網様体脊髄路とは?」というタイトルで、いよいよ姿勢の土台を作る本命、「内側運動制御系(舞台裏の黒衣)」について書いていきます。
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