第5章:いまさら聞けない姿勢制御「ボディースキーマとは?」

認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

ここでは学生から新人セラピストを対象に「いまさら聞けない姿勢制御」と題して、姿勢制御について簡単にわかりやすく解説しています。

今回から第5章に入ります。テーマは「ボディースキーマとは?」です。

「ボディースキーマ(身体図式)」。臨床に出ると急に先輩たちが使い始める言葉ですよね。正直、僕も学生時代は「なんだかカッコいい響きだな」くらいにしか思っていませんでした(笑)。

結論から言うと、ボディースキーマとは「脳の中にある、無意識の身体の地図」のことです。

例えば、目を閉じたまま自分の鼻の頭を指差してみてください。簡単にできますよね?

これは、いちいち目で見て確認しなくても、脳が「自分の腕の長さはこれくらいで、今はこんな風に曲がっている」というリアルタイムの地図を常に把握しているからです。

私たちが転ばずに姿勢を保てるのも、第3章でお話しした「感覚センサー(体性感覚、視覚、前庭感覚)」からの情報をもとに、脳がこの身体の地図を毎秒毎秒、正確にアップデートしてくれているおかげなんです。

では、脳卒中になって感覚センサーがうまく働かなくなるとどうなるか?

脳内の地図から、麻痺側の手足の存在がスッと「薄れて」しまうんです。

地図に載っていないものは、うまく動かすことも、体重を乗せて支えにすることもできません。

僕も新人時代は「もっと麻痺側に体重をかけて!」とよく言っていましたが、患者さんからすれば「そもそもそこに自分の足があるという感覚(地図)がない」状態なのですから、怖くて乗せられないのは当然ですよね。

姿勢制御を考える上で、単なる筋力だけでなく、この「脳内の地図」がどうなっているかを想像することは非常に重要です。

次回は「ボディーイメージとどう違うの?」というタイトルで、よく混同されがちな2つの言葉の違いについて書いていきます。

なんとなく姿勢制御がわかってきたけど、もっと深く知りたくなったという方はぜひダイリハのInstagramやnote、YouTubeを覗いてみてください。

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