臨床で麻痺手の治療をしているとき、「この患者さんはどこまで回復するんだろう…」と悩んだことはありませんか?
実は、脳卒中後の機能や退院時の生活状況は、初期の評価データから高い確率で予測できる時代になっているんです!

急性期では、神経学的重症度を測る「NIHSS」が強力な指標になります。初期のNIHSSが5点以下なら約80%が自宅退院、6〜13点なら約50%がリハ施設へ転院など、大まかな生活転帰が予測できます。さらに発症3日以内のNIHSSに、年齢やSAFEスコアを組み合わせることで、3ヶ月後の上肢機能の回復可能性まで詳細に導き出せます。

お馴染みのFMA-UEを用いた変化量予測式に該当すれば、6ヶ月後の回復量を約70%の確率で正確に予測できます。一方で、手指の随意的伸展が全くできない重度層など、この式に該当しない30%が存在することも必ず知っておきましょう。

そして回復期リハでは、随意的な肩関節と中指の屈曲可動域で3ヶ月後の上肢機能を約70%の確率で予測することが可能です。
ただ闇雲に練習を繰り返すのではなく、これらの予後予測を道しるべにすることで、患者さんに寄り添った現実的で最適なゴール設定(実用手を目指すか、補助手や装具療法に切り替えるか)を導き出すことができるようになります。
もちろん、予後予測は悪までも最低ラインと捉え、それ以上の回復が促せるように、常に精進していきましょう。
次回は、この予後予測をもとに、実際の臨床でどうやって具体的なアプローチを選択していくのかについて解説します!
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参考文献
竹林崇(編):PT・OT・STのための 臨床5年目までに知っておきたい 予後予測の考えかた.医学書院.2023.
道免和久(編):脳卒中機能評価・予後予測マニュアル.医学書院.2013.
Stinear, C. M., Byblow, W. D., Ackerley, S. J., Smith, M., Borges, V. M., & Barber, P. A.PREP2: A biomarker-based algorithm for predicting upper limb function after stroke. Annals of Clinical and Translational Neurology, 4(11), 811–820.2017.
Winters C, van Wegen EE, Daffertshofer A, et al: Generalizability of the Proportional Recovery Model for the Upper Extremity After an Ischemic Stroke. Neurorehabil Neural Repair 29 : 614-622, 2015.
Beebe, J.A. & Lang, C.E. Active Range of Motion predicts Upper Extremity Function Three months post-stroke, Stroke, 40(5), 1772-1779.2009.

図はRe:Gakusyaが参考文献をもとに作成したものです。
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