認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

ここでは学生から新人セラピストを対象に「いまさら聞けない姿勢制御」と題して、姿勢制御について簡単にわかりやすく解説しています。
第3章の7回目は「前庭感覚ってどう考えればいいのか?」です。
前回、前庭感覚は重力を感知する「最後の砦」だというお話をしました。
でも、「じゃあ実際の臨床でどうやって前庭感覚を評価して、治療につなげるの?」って思いますよね。正直、僕も新人時代は「患者さんを回転椅子に乗せて目を回せばいいのかな…」なんてトンチンカンなことを考えていました(笑)。
前庭感覚を臨床で考える時、1つのポイントとして「頭部のコントロール」があります。
前庭器官は耳の奥(側頭骨内)にあります。つまり、動くたびに頭がグラグラと揺れていると、脳には「今、バランスが大きく崩れてる!倒れる!」という警報(ノイズ)が絶えず送られてしまいます。
脳卒中の患者さんで、歩行時に体幹が不安定で頭が前後左右に揺れている方を想像してください。あの状態では、前庭感覚からの警報によって脳がパニックを起こし、防御反応として手足を過剰に固めてしまいます。
だからこそ、「まずは頭部を空間で安定させること」が重要なんです。
そのためには、いきなり首周りをマッサージするのではなく、骨盤や体幹といった「下の土台」を安定させていくこと。そうして前庭感覚からの正しい「重力」の情報が脳に入力されると、全身の過剰な緊張がスッと抜けることは臨床でよくあるんですよ。
これに合わせて、重心移動や動的な課題につなげていく、そんな視点が重要です。
次回は「感覚の重みづけをわかりやすく解説」というタイトルで、これまで紹介した3つの感覚がどう連携しているのかについて書いていきます。
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