認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

ここでは学生から新人セラピストを対象に「いまさら聞けない姿勢制御」と題して、姿勢制御について簡単にわかりやすく解説しています。
第3章の5回目は「装具や手すりでも体性感覚は変わる…」です。
前回、足の裏からの体性感覚が「超高性能なセンサー」であるとお話ししました。
それを聞くと、「じゃあ、感覚を入れるためにどんどん素足で立たせよう!」と思いがちですよね。正直、僕も新人時代は「裸足こそ正義!」とばかりに、無理に素足で歩行練習をしていました。
でも、実はそれが逆効果になることも多いんです。
例えば、麻痺の影響で足首がグラグラ(内反尖足など)している患者さんが素足で立つと、足の裏の「外側」ばかりに極端な体重がかかってしまいます。これでは脳に「異常な偏った感覚」ばかりが入力されてしまい、正しい姿勢定位(真っ直ぐ)は作れません。
ここで活躍するのが「装具(プラスチック短下肢装具など)」です。
装具をつけることで足関節がしっかりと安定し、足の裏の「全体」で均等に床面を感じやすくなります。つまり、装具という物理的なサポートが、結果的に正しい体性感覚の「入力」を助けてくれるんです。
もちろん個人差があるので、適切な装具を選定する必要があります。
手すりや杖も同じです。ギュッと強く握らなくても、指先で軽く触れる(ライトタッチ)だけで、手からの体性感覚情報が加わり、身体の揺れが劇的に減ることが分かっています。逆に握りすぎると、体性感覚が入りにくくなる可能性もあります。
装具や手すりを単なる「転倒防止の安全グッズ」ではなく、「正しい感覚入力のための治療ツール」として戦略的に使う。この視点を持つと、臨床での環境設定にグッと深みが出てきます。
次回は「前庭感覚はバランスにどう関わるのか?」というタイトルで、3つ目の隠れたセンサーについて書いていきます。
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