どうも、サギョウ先生です!
今回は、上肢リハでよく話題になる「筋緊張」を臨床でどう評価し、どう解釈するのか整理していきます。

まず、筋収縮と筋緊張は同じものではありません。 筋収縮はα運動ニューロンを介して筋線維が収縮することで生じる運動の出力です。一方で筋緊 張は、γ運動ニューロンを介して筋紡錘の感受性が調整されることで生じ、姿勢保持や運動準備などに関わる基礎的なトーンです。つまり筋緊張は、本来は運動を支えるための重要な機能でもあります。

しかし、脳卒中などで皮質脊髄路(CST)などの上位運動ニューロン系が損傷すると、脳からの抑制が低下し、網様体脊髄路(RST)や前庭脊髄路(VST)の影響が強くなります。その結果、筋紡錘の活動が高まり、筋緊張が過剰に高くなることがあります。
筋緊張の評価には、筋電図などの生理学的検査もありますが、臨床で日常的に行うには現実的ではありません。
そのため実際の臨床では、Modified Ashworth Scale(MAS)やModified Tardieu Scale(MTS)などの簡便な評価がよく用いられます。
ただし、これらは主に受動運動時の抵抗を評価するものです。 そのため、実際の上肢機能を理解するには、リーチや把持など運動の中で筋緊張がどう変化するのか?姿勢によって筋緊張は変化するのか?などを観察することが重要になります。
筋緊張が高いからといって、すべてが「痙縮」とは限りません。 共同運動や姿勢戦略、感覚障害への代償などが関係していることもあります。
だからこそ、評価と動作観察を組み合わせて解釈することが、上肢リハでは大切になります。
次回は、運動失調の評価について整理していきます!
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参考文献
石川朗,大畑光司(編):15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト 神経障害理学療法学I 第2版 .中山書店.2020.
高橋忠志,栗田慎也:脳卒中リハビリテーション治療・支援のFirst STEP 初めての臨床からわかる・できるステップガイド.第1版. 株式会社メディカルビュー社, 2023.
Li, S., Francisco, G. E., & Zhou, P. Post-stroke Hemiplegic Gait: New Perspective and
Insights. Frontiers in Physiology, 9, 1021, 2018.Li, S., et al.: A New Definition of Poststroke Spasticity and the Interference of Spasticity With Motor Recovery From Acute to Chronic Stages. Neurorehabil. Neural Repair, 35(7):601-610, 2021

図はRe:Gakusyaが参考文献をもとに作成したものです。
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