どうも、サギョウ先生です!
今回は、臨床でよく遭遇する上肢後遺症の一つ「運動麻痺」について整理していきます。

運動の実行には、運動野から脊髄へ下行する皮質脊髄路が大きく関与します。
この経路は上肢全体に関わりますが、特に指を一本ずつ動かすような細かな運動に重要です。
そのため損傷すると、「力が弱い」だけでなく「細かな運動ができない」といった問題が生じます。

皮質脊髄路が損傷すると、脳は運動を成立させようと神経の再編(可塑性)を起こします。
その一例が、網様体脊髄路など他の経路による機能代行です。
この神経は体幹や近位筋の制御に関わり、「まとめて動かす」特徴があります。
そのため、肘を曲げると肩も同時に上がるような共同運動が出現しやすくなります。
共同運動は「悪」ではなく、残された機能で運動を成立させようとする脳の戦略とも考えられます。
だからこそ、分離運動の有無や課題中の運動方法などを多角的に評価することが重要です。
次回は痙縮について整理していきましょう。
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参考文献
Eric .R.Kandel(編):カンデル神経科学 第2版.メディカル・サイエンス・インターナショナル,2022.
水野昇(監訳),他:臨床神経科学とリハビリテーション.西村書店,2020.
Gao, Z., Pang, Z., Chen, Y., Lei, G., Zhu, S., Li, G.,Shen,Y., Xu, W. Restoring After Central Nervous System Injuries: Neural Mechanisms and Translational Applications of Motor Recovery. Neuroscience Bulletin, 38, 1569–1587.2022.

図はRe:Gakusyaが参考文献をもとに作成したものです。
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