3章:感覚「感覚の重みづけをわかりやすく解説」

認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

ここでは学生から新人セラピストを対象に「いまさら聞けない姿勢制御」と題して、姿勢制御について簡単にわかりやすく解説しています。

第3章の8回目は「感覚の重みづけをわかりやすく解説」です。

前回まで「視覚」「体性感覚」「前庭感覚」という3つのセンサーについてお話ししました。

では、私たちの脳はバランスをとる時、この3つを「均等に(33%ずつ)」使っているのでしょうか?

正直、僕も学生時代は「全部足して100点満点!」みたいに単純に考えていました。

でも実は、脳は状況に合わせてこの3つのセンサーへの「頼り具合(重み)」をリアルタイムで変化させているんです。これを専門用語で「感覚の重みづけ(Sensory Weighting)」と呼びます。

例えば、明るくて硬い床を歩いている時は、足の裏からの「体性感覚(約70%)」をメインに使ってバランスをとっています。

でも、夜中に電気をつけずにトイレに行く時(暗闇)はどうでしょう?「視覚」からの情報が極端に減るため、脳は瞬時に視覚への依存度を下げ、代わりに「前庭感覚」や「体性感覚」の重み(割合)をグッと増やして転ばないように調整します。

脳卒中の患者さんは、この「環境に合わせたセンサーの切り替え(再重みづけ)」が非常に苦手になることが多いんです。

だから、いつも明るくて平らなリハビリ室では安定して歩けるのに、少し薄暗い病棟の廊下や、床がフカフカの絨毯になった途端に、ふらつきが増大したり、転倒リスクが高まったりするわけですね。

環境設定を考えるというのはとても重要ですが。感覚の重みづけという視点が加わると環境設定により深みが加わって、患者さんに適した訓練を選択することが出来ます。

次回は「どんな場面で感覚の重みづけは変わるのか?」というタイトルで、臨床での具体的な環境変化について書いていきます。

臨床で感覚の重みづけを使いこなせていない。アイデアがあまり出てこないという方はダイリハInstagramやnote、YouTubeを覗いてみてください。

きっと役立つ情報があります。

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