3章:感覚「体性感覚はバランスにどうかかわってくるのか?」

認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

ここでは学生から新人セラピストを対象に「いまさら聞けない姿勢制御」と題して、姿勢制御について簡単にわかりやすく解説しています。

第3章の4回目は「体性感覚はバランスにどうかかわってくるのか?」です。

「体性感覚」と聞くと、実習での感覚検査を思い出しませんか?筆でサワサワ触ったり、関節を曲げ伸ばしして「上がってますか?下がってますか?」と聞くアレです。

正直、僕も新人時代は、検査をしてカルテに「軽度鈍麻」と書くものの、それが実際の動作やバランスにどう影響するのかイマイチ結びついていませんでした。

でも、姿勢制御において体性感覚(特に足の裏の触覚や、関節の位置覚)は、めちゃくちゃ重要な「レーダー」なんです。

立っている時、私たちの身体で唯一、環境(床)と接しているのはどこでしょうか?

そう、「足の裏」ですよね。

足の裏は、今自分の体重(重心)が足のどの部分にどれくらい乗っているのか、床は傾いているのかを瞬時に感知する超高性能なセンサーです。

脳卒中になり、この体性感覚のレーダーが壊れるとどうなるか。

極端に言うと、常に「フワフワの雲の上」や「足場のない暗闇」に立たされているような状態になります。床の感覚がないから、怖くて麻痺側の足に体重を乗せられず、結果としてバランスが崩れてしまうんです。前回お話しした「足元ばかり見てしまう(視覚代償)」のも、この体性感覚の不足を補うためでしたね。

だからこそ、「力がないから立てない」と運動麻痺のせいにする前に、「足の裏で床を正しく感じられているか?」という入力の視点を持つことが大切なんですね。

次回は「装具や手すりでも体性感覚は変わる…」というタイトルで、臨床ですぐに役立つ環境設定のお話をしていきます。

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