認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

ここでは学生から新人セラピストを対象に「いまさら聞けない姿勢制御」と題して、姿勢制御について簡単にわかりやすく解説しています。
第2章の4回目は「姿勢定位は○○がポイント」です。
前回、姿勢定位は空間の中で「真っ直ぐ」や「適切な形」を作ることだとお話ししました。では、その「真っ直ぐ」を感じ取るための最重要ポイント、タイトルの「○○」とは何でしょうか?
結論から言うと、それは「垂直性(Verticality)」です。
垂直性とは、地球の重力に対して自分がどれくらい真っ直ぐ立っているか、あるいは座っているかを感じ取る「脳内の基準線」のようなものです。
僕らも普段、目を閉じていても「あ、今傾いてるな」とわかりますよね。これは脳が常に複数の感覚を使って「重力方向=垂直」をモニタリングしてくれているおかげです。
しかし、脳卒中になると、この「垂直の基準線」自体が傾いてしまうことがあります。これが臨床でよく遭遇する「Pusher現象(プッシャー症候群)」の背景にある大きな要因の一つです。
患者さん本人の脳内では「傾いている今の状態が真っ直ぐだ!」と認識(定位)してしまっているため、セラピストが外から無理に姿勢を直そうとすると、逆に強く抵抗して押し返してきます。
だからこそ、「筋力がないから傾く」と短絡的に考えるのではなく、「この患者さんの脳内では、垂直性がどう書き換えられているのか?」と考える視点がとても重要になります。
次回は第2章の最後、「臨床で姿勢安定を姿勢定位を考えるには?」というタイトルで、この2つのせめぎ合いについて書いていきます。
臨床での姿勢制御の生かし方に悩みを抱えている人は、ぜひダイリハのInstagramやnote、YouTubeを覗いてみてください。

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