1章:なぜ姿勢制御を考える必要があるのか? 「臨床で運動麻痺ばかりみていませんか?」

認定理学療法士(脳卒中)のダイリハです。

第2回目は「臨床で運動麻痺ばかりみていませんか?」です。

実習生や新人の頃、どうしても目が行ってしまうのが「運動麻痺」ですよね。

「BRSがステージⅢだから手が挙がらない」

「下肢の支持性がないのは、麻痺が重度だから仕方ない」

正直、僕も昔はカルテのBRSやMMTの数字ばかりを見て、そこですべてを判断していました。

でも、あえて少し厳しい言い方をすると、「運動麻痺しか見ていない」というのは、神経科学的に言うと「外側皮質脊髄路しか見ていない」ということになってしまうんです。

外側皮質脊髄路は、手足を随意的に動かすための神経路です。学校でも錐体路として習いますよね。

確かに重要です。でも、ヒトの身体はそれだけで動いているわけじゃありません。

姿勢制御には、それ以外にもたくさんの神経システムが複雑に絡み合っています。

無意識に身体のバランスを取る「網様体脊髄路」や、重力に対して抗う「前庭脊髄路」など…。

これらが土台としてしっかり働いてくれないと、いくら患者さんが「手を挙げたい!(外側皮質脊髄路)」と頑張っても、身体は崩れてしまいます。

「麻痺があるから無理」と諦める前に、一度考えてみてください。

その動きにくさは、本当に麻痺だけのせいでしょうか?

実は、姿勢制御のシステムがうまく働いていないことが、動きを邪魔しているだけかもしれません。

麻痺という「結果」だけでなく、その背景にある「姿勢制御」というシステム全体を見る。

これができると、アプローチの幅が一気に広がりますよ。

次回は、これまた陥りがちな「意識的な練習」についてお話しします。

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