― 姿勢制御から考える体幹トレーニング ―
どうも、ニューロプラスティーの中谷です。
今回は、臨床でも自主トレでもよく使われる
「お尻上げ(ブリッジ)」についてお話します。
一見すると、
「腰やお尻の筋トレ」
のように見えるこの運動ですが、脳卒中リハビリの視点で見ると、
実は姿勢制御のトレーニングとして非常に重要な意味があります。
今回は なぜブリッジが重要なのかを「姿勢制御」という視点から整理していきます。
① 人が動くときには「土台」が必要
人が身体を動かすときには
・姿勢を保つ
・重心をコントロールする
・動きに合わせて体幹を安定させる
といった姿勢制御システムが必ず働いています。
例えば、
・手を伸ばす
・立ち上がる
・歩く
こうした動きの前には、必ず体幹や骨盤の安定が必要になります。
もし土台が不安定なままだといくら手や足を動かそうとしても身体は崩れてしまいます。
② 脳卒中では「体幹の安定」が崩れやすい
脳卒中後の患者さんでは
・体幹の筋活動の低下
・重心コントロールの低下
・姿勢調整の遅れ
などが起こりやすくなります。
つまり、「手が上がらない」
「歩きにくい」という問題の背景には体幹や骨盤の安定性低下が隠れていることも少なくありません。
そのため臨床では四肢だけでなく体幹をどう作るかが非常に重要になります。
③ ブリッジは「姿勢制御」の練習
ここで登場するのがお尻上げ(ブリッジ)です。
ブリッジでは
・骨盤を持ち上げる
・体幹を安定させる
・重心をコントロールする
といった姿勢制御が必要になります。
働く主な筋は
・大殿筋
・ハムストリングス
・体幹筋(腹筋・背筋)
などです。
ですが重要なのは単なる筋トレではなく体幹と骨盤を協調してコントロールする練習という点です。
④ よく見る代償動作
ブリッジでは次のような代償がよく見られます。
例)・腰だけ反って持ち上げる
・片側に骨盤が傾く
・足で踏ん張りすぎる
こうした場合は「お尻を上げること」よりも体幹と骨盤のコントロールを意識して練習することが大切です。
⑤ 家族がサポートするときのポイント
ご家族が見守る場合は、次のポイントを意識すると安全です。
✔ 足は肩幅程度
✔ 腰を反りすぎない
✔ ゆっくり上げる
✔ 痛みが出たら中止
回数の目安は5〜10回× 2セット程度から始めるのがおすすめです。
まとめ
ブリッジは「お尻の筋トレ」ではなく姿勢制御を整える運動です。
体幹や骨盤の安定が作れると
・起き上がり
・立ち上がり
・歩行
・上肢動作
など、さまざまな動作の土台になります。
まずは動きを作る土台を整えるという視点で
ブリッジを見ると良いと思います。
次回は 臨床でもよく見る
「ブリッジで腰ばかり反るのはなぜ?」
というテーマから、体幹の使い方を整理していきます。
参考文献
Eric R. Kandel(編):カンデル神経科学 第2版.
原寛美・吉尾雅春(編):脳卒中理学療法の理論と技術 第4版.
Shumway-Cook A, Woollacott M:Motor Control.
Stinear CM et al. Stroke, 2017.
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